古事記 の 改
何から書き始めてよいのやら。ここまで来た道のりを思い出せるだけ思いつくだけ書きたいと思う。ここではアランという名で見て歩いたことを、書きたいと思っています。そして私の信ずるまたはうたがう神の前にささげる供物として、多くの人の目にとまるべきものになることを、神々も喜ばれる読み物となるべきですし、そのために私は書いていくつもりです。これはとても深い意味や心理が含まれる内容となりますし、私にとっても真理を深めていくために、必要な仕事であるがゆえに、妥協せずあきらめず、丁寧に書いていくつもりがあります。
さて私はとある多重人格的な面を持つ少女のことをここで話しをするつもりです。この少女は後の世では最強で唯一の神として君臨することになる力を手にすることになりました。
少女はまだ眠たげにしていました。今その目が開こうとしているときに私アランが立ち会えることに身震いを隠しきれません。少女はいまだ体を持っていることに戸惑っていました。自らが犯した(これは無意識でしたが)過ちに気づかれて、ながらくの眠りから目をお覚ましになられて、その目には涙がにじみ潤んだ瞳で御自分の犯した過ちを一つ一つ確かめていらっしゃいました。そしてそのすべてを私に書く必要はないけれども私とともに終わりから始まりまで見届けることを望んでいらっしゃいました。私の思うところにより、その神となられるお方はなんとお呼びすればよいのでしょうかと聴くと何の名前もまだないと仰せになりました。ですがそれでは私も困ってしまいますと懇願いたしますと、お考えになる様子ですが、今はどうしても答えられないというふうに首を横にふるふるとして髪を揺らすのでした。
少女らしいそのお方はまるで、ルイス・キャロルのお話の中に登場するアリスのように愛らしく目には何か美しいきらめきのような力を秘めており、可憐かつ秀麗でいて、清らかさは右に出るものはありません。私は嘘をついてお世辞を並べたわけではありません。
あまりにはかなくしたたかで、しぐさが丁寧で何もかもが優れて見えるのです。
少女が笑みを隠される時のそのしぐさ、その静かな手の動きに私は惚れ惚れして自らを恥じ入りました。その手をお汚しになるくらいなら私が筆を執りたいと心から沸きあがる勇気に今体と霊によるたましいが震えているのがわかりました。どうかその手で私を導きください。その美しいやわらかくやさしげな小さき手に、触れられぬもどかしさに私はまたかしこみ震えている手を御しながら、さながらもう骨抜きになってしまうまでに、ただただその少女のために筆も乱れてきました。できれば誰にも指を触れさせないで、お守り通したいと、思わせるその少女を壊したくないと、どれほど思っているかとか、どれほどお会いしたいと思っていたかとか、こうして私の手で伝えられることに感涙の想いです。
少女様、こうした形ですが、今私は少女様と向き合えて救われました。
もう少しで少女様のもとに、帰ることができるのですね。
私はもともと 稗田阿礼。やっとここまでたどり着いた想いです。また一度命を下さった少女様にこれ以上は書くことはないようです。なぜかというともうこれは書物になっていることがあきらかでしたから、ただの反復などは必要ないのです。
心からの感謝をこめていつかまた皆さんと会えることと楽しみにしています。どうか私を忘れないでいてください。童女(いざなみ)様童子(いざなぎ)様どうかはなれることのないように迷わず歩んでください。そもそもそれこそ事の発端なのですから。私は事のすべてを語ることは前述しましたがそれを撤回するがごとく短いおぼえがき程度の供物がここにできておおいに私の疑いの心は満足しました。あしからず。
アラン
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